本格的なアフターコロナ、ウィズコロナの時代を迎えました。コロナ下で消費や生活のスタイルは大きく変化し、従来の延長線上だけでは発展はおろか、淘汰(とうた)されてしまう時代です。産業全体の大きな課題であるDX(デジタルトランスフォーメーション)とSDGs(持続可能な開発目標)に取り組み、新たな産業(企業であれば事業)を創出していくべき時代に入ったと言えるでしょう。そのヒントはどこにあるか、読者のみなさんと一緒に考えていきたいと思います。
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富裕層とインバウンドが需要をけん引
23年は新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着き、ほぼ3年ぶりに、1年を通して日常生活に戻りました。しかし、アパレルを中心とする繊維・ファッションビジネス産業全体の回復はまだ途上です。
背景にあるのは物価上昇で、23年は3%台の賃上げとなったものの、東京23区では生鮮食料品を除く消費者物価が5%も上昇し、実収入はマイナスが続いています。家計調査でも被服および履物への支出は減少傾向が続いています。アパレル製品も値上げを余儀なくされ、一般消費者は生活防衛のため古着店やメルカリの利用が広がっています。