【パリ=松井孝予通信員】フランス政府は、製品やサービスの環境負荷を数値で示す「環境表示/エコラベリング」制度の導入を進めている。繊維分野では、すでに一部ブランドが試験的に運用を開始しており、5月15日から有志企業による試験運用がさらに拡大する見通し。
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環境表示は、製品ごとの「環境コスト」を一目で把握でき、消費者のサステイナブルな選択を促し、企業の環境対応を後押しすることが目的。価格が金銭的コストを示すのに対し、この表示は「環境負荷」を数値で可視化する。
この取り組みは21年に成立した「気候とレジリエンス法」に基づくもので、24年末には施行令案に関する公開意見募集(パブリックコンサルテーション)が行われた。25年春に欧州委員会への通知が予定されているが、現時点では通知完了の公式発表は出ていない。
今回の試験導入は「フェーズ1」(初期コンプライアンス段階)に位置付けられ、対象企業はデータ収集や登録作業を進める。
25年10~12月には、全ての衣料品への環境表示ラベルの義務化(フェーズ2)が予定されており、今後は、繊維以外の食品や家具などにも対象が拡大する予定だ。