米ギャップ 「オールドネイビー」の分社化を中止

2020/01/21 06:30 更新


 【サンフランシスコ=立野啓子通信員】米最大のSPA(製造小売業)ギャップは、昨年3月に発表していた「オールドネイビー」を分社化して新たに株式上場する計画を中止すると発表した。

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 オールドネイビーは18年度まで既存店増収が続き、「ギャップ」と「バナナリパブリック」が低迷するなか、けん引役となってきた。ところが19年度から既存店減収が続き減速、分社化を提案したアート・ペックCEO(最高経営責任者)は昨年11月に退任した。

 代わって臨時の社長兼CEOとして指揮を執る創業者一族のロバート・フィッシャー氏は「取締役会は、分社する費用と複雑さから中止すると決定。低調なビジネスを二つに分けることで、しかるべき結果を引き出すことに限界がある」とコメントした。

 昨年発表した新戦略の中で、オールドネイビーは100億ドルブランドを目指し、1140店(メキシコ、カナダ含む)から2000店まで拡大する準備があるとしていたが、株式上場して資金集めをするのに十分でないと判断したもので、株主にとって良いニュースとして受け止められている。

 フィッシャー氏は、成長ブランドのオールドネイビーと「アスリタ」は、より厳格で変革的な方法で権限を与え、「ギャップ」とバナナリパブリックは適切な利益を出すことに焦点を当てるとする。

 発表と同時に、「ギャップ」のニール・フィスケ社長兼CEOは退任、フィッシャー暫定社長兼CEOのもと、バナナリパブリックのマーク・ブリット社長兼CEOが、専門店グループの「ギャップ」、バナナリパブリック、アスリタ、子供服の「ジェニー&ジャック」、高級ブティックの「インターミックス」、メンズの「ヒルシティ」のCEOを兼任。オールドネイビーはこれまで通りソニア・シンガル氏が社長兼CEOとして指揮を執る。



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