「ファッションに興味が無い」と言われる現代の若者たちだが、本当にそうなのだろうか。インターネット環境下で育ち、ネットで物が買えて当たり前のティーン世代。リアル店舗では今、彼らがわざわざ足を運びたくなる仕掛けが求められている。
人材情報サービスのマイナビのティーンズ事業推進部が運営する「マイナビティーンズ」は、13~19歳の女の子なら誰でも無料で登録できる会員型メディアサイトだ。14年1月末時点の会員数は約6万4000人。同サイトが女子高生を対象に行ったアンケートでは、「若者が服を買わない」とは言いがたい結果が出ている。
「月々のお小遣いの主な使い道は」という質問(1月実施、回答数360人)では、洋服が1位。2位コスメ、3位プリクラと続く。「休日に友達と遊びに行く場所は」(14年4月実施、回答数267人)では、2位カラオケ、3位ファミレスを抑え、買い物スポットが1位だった。
ティーンを狙う原宿・竹下通りの商業施設や専門店は、〝体験できる〟仕掛けで集客を強めている。「原宿アルタ」を運営する三越伊勢丹プロパティ・デザインの佐藤末博営業統括部兼テナント開発部テナント開発担当長は「10代が今、関心を寄せているのは、物よりも友達同士で楽しく時間が消費できる場所なのかも。来て、見て、感じて、楽しめる。そんな体験できる場を提供するのがリアル店舗の使命の一つ」と話す。
「スピンズ」を運営するヒューマンフォーラムの山田恭平ディレクターは「服屋に服を買いに行こうという考え方はもう古い。服が買えて、しかも○○できる。といった付加価値をつけてあげなくては」という。
服を買うだけならネットで事足りる時代。リアル店舗でしか味わえない魅力を高める必要がある。
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