90年代後半から00年代にかけて、本紙にストリートスナップの記事をたびたび掲載していました。30年近く前の、都会の一瞬を切り取っただけの記事ではありますが、その背景を店や企業に取材し、ときには売り上げなどの数字も入れていて、当時の商売の動きも少しわかります。“平成リバイバル”など様々なレトロが注目を集めている昨今、改めて読み返すことで、ビジネスに通じるヒントが見えてくるかもしれません。ベテラン記者が振り返ります。
※本文は読みやすく直しています。社名やブランド名などは原文のまま掲載します。
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たかがマフラーされどマフラー
1997年1月18日付
▼1年前から女子高生にモテモテだった「バーバリー」のマフラー。今年は完全に制服の一部になってしまった。織りネームが見えるように巻くのが〝校則〟。でも、ベースの色は茶、グレー、紺、ピンクなどちょっとずつ違うのだ。
▼ついでに「見て見て!」と、みんな持ってる「たまごっち」。昨年11月の発売以来、すでに30万個売れたとか。2月に「たまごっち2」が出るの、知ってた?
▼バーバリーに迫る勢いなのが「フェンディ」。こちらはいろいろなデザインがある。仲良くフェンディを巻いていた2人。「みんなと違ってて、みんなが知ってるのがいい」と解説してくれたのは男の子です。彼のフェンディはお母さんの。
▼ブランド物の次に目立つのがミニサイズのフワフワ、モコモコ物。動物のぬいぐるみマフラーも多い。
▼紫色とハチミツ色のモヘヤ。なんとなく今年風、なのがいいネ。
▼素朴で昔っぽい路線が可愛い。
▼同じにしないで、それぞれの個性で歩いていた2人。右の女の子は、あっちこっちに(マフラーにも)イチゴやキューピー、小鳥が付いている。
《記者メモ》
当時、毎週土曜日付に「サタデースペシャル」(00年3月まで掲載)という企画ページがありました。これは、その中の「ウォッチング」というコーナーです。渋谷パルコの前あたりで取材。ウォッチしただけで終わっていますが、写真を撮らせてくれた若者たちの話からネタをつかんで取材し、記事にすることは多かったのです。
(赤間りか)