太田さんは、東京・アメヤ横丁のヒノヤ本店の名物販売員だ。明るく親しみやすい接客で、急増しているインバウンド客からも、言葉の壁を越えて愛されている。青春時代をアメカジブームの最中に過ごした。28歳の時に「どうしても大好きなジーンズに関わる仕事がしたい」と考え、異業種からヒノヤへ転職。今年で入社20年目を迎える。
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慣れない接客に苦戦したが、持ち前の人当たりの良さで、徐々にスタイルを確立していった。得意とするのはニーズを聞き出し、最適なサイズ感や着こなしを提案するカウンセリングのような接客だ。
最近はインバウンドが増え、入社以来最も店に勢いを感じている。「SNSで見て海外から目がけて来てくれる人も多い。プロとして期待に応えなければ」と気も引き締まる。「片言の英語でも、本気で向き合えば心は伝わる」。毎年「オオタ!」と会いに来てくれる〝海の向こうの常連〟ができたことが何よりうれしかった。
接客で親しみやすい雰囲気を作り、アメカジに興味を持ち始めた若年層の新規客も増やしたい。「商品は国産ジーンズ中心で決して安くない。だからこそ、気楽に楽しく店を見て回ってほしい」。販売員になりたいとヒノヤの門をたたく新人も多い。培った知識や接客ノウハウで、後進を育成したいと考えている。
