"店を見た上での提案は商談を盛り上げる"
●シップス 大森雅代Khajuバイヤー
想定していなくて買うことも
「カージュ」は08年に立ち上げたレディスのカジュアルラインで、20代半ばから後半をメーンターゲットにしています。スタンダードな商品が多い「シップス」本体と比べて、トレンド感がありガーリーで元気なスタイルを提案しています。
オリジナル6割、買い付け4割なので、国内外共に展示会に行く機会は多いですね。海外はパリやミラノ、ニューヨークの合同展など。国内はIFFのような総合展から取引しているブランドさんの個展まで足を運びます。
展示会を回る時の頭の中は情報収集が半分、買い付けが半分。買い付け品は店の要望やトレンド、実績などを考慮して事前に決めていることもありますし、想定していなくても展示会で印象に残ったものがカージュの世界に合えばその場で買い付けます。
演出より商品
できる限りすべてのブースに目を通したいのですが、大規模な展示会では時間的に難しい。演出に凝り過ぎているブースよりも、商品が見やすい位置に置かれ、商品に光るものがあるブースの方が立ち寄りたくなります。また、個人的には呼び込みを受けるより、ブースに入ってからアプローチしてもらう方がうれしいですね。
ブースに商品知識のある方がいるのが前提ですが、素材や仕様の変更に柔軟に対応してもらえると、買い付けの可能性が高くなります。ウエアならネックを広げられないか、バッグならボストンをショルダーにできないか。また、長期的に信頼関係を築きたいので、その場でしっかり話せることも大切です。
分かりやすいプレゼンを
IFF7月展では、トレンドが反映されていて、カージュの世界にはまる商品、ブースに立ち寄った時の理解しやすいプレゼンテーションを期待しています。展示会をはしごすることも多いので、カタログは分厚く重いものより、コンパクトなものの方がありがたいです。
信頼関係を長期に醸成していくために、お互いを理解し、いい商品を作っていけそうなところから買い付けたいです。カージュに興味を持ち、店に行って品揃えを見た上で提案してくださる方が、商談も盛り上がりますし、良い商品を生み出せると思っています。
(この記事は2013/05/08付繊研新聞に掲載したものです。)