インド手織り生地輸出振興局 希少素材アプローチ強化

2017/08/22 04:25 更新


 インド繊維省傘下のインド手織り生地輸出振興局が、日本へのアプローチを強めている。手紡ぎ・手織りのテキスタイルやストールの日本向け輸出を拡大する方針で、9月に初めてインドの手織り生地や希少素材に絞った展示内見会を東京で開く。インドの手織り産業は世界最大の規模を誇っており、日本だけでなく全世界への輸出増を見込んでいる。

 展示内見会の日程は、9月6日~8日。会場は東京の日本繊維輸入組合4階会議室で、「インド手織り&希少素材展示内見会」として開催する。提案するのは、手紡ぎ・手織りのテキスタイルやストールなど。インド政府は、モディ首相が手織り産業を重視する方針を示しており、輸出拡大を推進している。

 内見会のスペース提供などで協力する日本繊維輸入組合は「インドの手織り生地は風合いやタッチに個性があるため、店頭での差別化を重視するアパレル、セレクトショップのバイヤーに受け入れられる」(神山義明上席研究員)と見ている。

 内見会への参加が決まっているのは、いずれもコルカタに本拠を置くイースタンシルク・インダストリーズとスヴァルナ・テキスタイルズ・リミテッド。欧州への輸出実績が豊富で、手織りのシルク生地や希少素材、ストールの生産などで定評がある。2社以外の出展の可能性もあり、トータルで約500点の生地およびストールを揃える予定。百貨店、セレクトショップ、アパレルメーカー、商社の来場を見込み、手紡ぎ手織りのテキスタイル「カディ」や野蚕の一種である「ムガシルク」、パシュミナなどをアピールする。

 インドの手織り産業は、世界一の規模で、手織りに携わる労働者は430万人。全世界で生産される手織り生地のうち95%がインド産となっている。

インド・スリナガルでのパシュミナの手織り風景



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