伊藤忠商事繊維カンパニーの15年3月期連結業績(IFRS=国際会計基準)は、エドウインの取得や前期の固定資産減損損失計上の反動などで株主帰属純利益が320億1300万円と前期に比べ80億5300万円増と大きく伸ばした。今期は、中国など海外事業の伸びや「国内市場も回復が見込める」(小関秀一常務執行役員繊維カンパニープレジデント)と330億円の純利益を目指す。
エドウインの取得で外部顧客からの収益は6・5%増の5679億円、売上総利益は、国内アパレル関連事業や英ブラムホープは苦戦したが、95億円増の1407億円と伸ばした。総資産も802億円増の5558億円に高まった。
好調な事業会社は、コンバースフットウェア、ジョイックスコーポレーション、コロネット、寺岡製作所、ワタキューセイモアなど。主な関係会社の取り込み利益はジョイックスコーポレーション13億円(前年並み)、三景26億円(前年比11億円増)、香港のIPA14億円(6億円減)、伊藤忠繊維貿易中国12億円(1億円減)など。今期の取り込み利益はIPAで15億円、伊藤忠繊維貿易中国は16億円を見込む。
「安く作る機能が求められている」とチャイナプラスワンシフトを進めており、日本向けアパレル製品では「中国とそれ以外の地域で半々に近づきつつある」ところまで進んだ。
今期は14年度に出資した米レンフログループやベトナムのビナテックスなどを通じた三国間取引の拡大、中国のボストンとの連携による中国市場の開拓、CPグループやCITICグループと連携し、シナジー効果を生み出して海外収益の拡大に取り組む。
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