パターンメイキングやグレーディング、サンプル縫製などの受託業を主力とする東レグループの日本アパレルシステムサイエンス(JASS)は、衣服のパターンをデータで販売する自社ECサイトを20年7月から運営している。「BtoB(企業間取引)でのパターンのネット販売は他社もほぼ前例がない」なかで、新規顧客の開拓に効果を上げている。
ファッション向けを主軸に約200型を販売している。商品構成はメンズとレディスがほぼ半々で、6対4でメンズの方がやや多く売れている。購入者は、社内にパタンナーを抱えていない小規模なOEM(相手先ブランドによる生産)企業や個人パタンナー、衣装制作企業など、従来の顧客ではない層だ。試験運用中のインスタグラムアカウントを中心に自社のSNSからも流入している。「JASSやパターン購入になじみのない事業者に利用してもらいたい。認知度はまだ低いが、想定した先に届き始めている」という。