ジャパンジュエリーフェアで、セミナー「ジュエリー販売DX(デジタルトランスフォーメーション)の最新事情」が開かれた。日本ジュエリー協会理事・国内活性化委員会委員長の宮崎晋之介氏の司会のもと、フェスタリアホールディングス社長の貞松隆弥氏、デジタルシフトウェーブ社長の鈴木康弘氏、バニッシュ・スタンダードCEO(最高経営責任者)兼代表取締役の小野里寧晃氏がディスカッションした。
DXコンサルティングサービスを行っている鈴木氏は、「これまで、小売業では立地が大事と言われてきた。今はお店の外、業界の外に出て行き、お持ちの知識を外に発揮していく時。それがデジタルの力で可能になる」とした。
実際に、この間、OMO(オンラインとオフラインの融合)の推進に向け取り組んできたフェスタリアホールディングスの貞松社長は、サプライチェーンや商品情報の整備など、「まずはECと店舗、全て一緒のインフラを敷くことにとても苦労した」(貞松社長)と、基盤作りの大切さに言及した。
店舗スタッフDXアプリ「スタッフスタート」を提供するバニッシュ・スタンダードの小野里氏は、店舗スタッフがECに投稿するコーディネート画像からの経由売り上げがたどれ、インセンティブを与えられる機能について説明し、「スタッフがうまくECを利用して販売でき、自分たちにも店頭にも得になる」とアピール。オンライン上でスタッフについたファンが、実店舗を訪れる例も増えていると話す。運営側のポイントとして、「導入したからやっといてねではなく、初めて店舗に立つ時と同様に、どんな画像や動画を投稿すべきか考え、オンライン上のお客様に向き合うのが大事」とした。
鈴木氏は、高単価なジュエリーだからこそ、オンライン上でも、優れた接客技術が生きると指摘。貞松氏は、「産休、育休が顧客が離脱するタイミングだった」とし、オンラインなら自宅でも接客が可能なため、キャリアを継続でき、生産性や給与も上がるとして期待を寄せた。