《聞きました》「カミラフカ」デザイナー 古澤正和さん 帽子デザイナーとは?
古澤正和は、ちょっぴりパンクなムードが漂うクチュール帽子「カミラフカ」のデザイナー。日本の帽子デザインの第一人者であった故平田暁夫氏に師事し、オートモード平田でモディストとして技術を磨いた。09年に自身のブランドを立ち上げ、今秋冬物から仏セレクトショップ「コレット」や中国の帽子専門店との取引が決まるなど、着実に国内外での販売を広げている。
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ブランドを始めた時から、常に新しい物を作りたいという思いはずっと変わりません。例えば「ボルサリーノ」のようにいい帽子はすでにありますから、そこと同じことをやっても意味がない。アトリエでは、よく若いスタッフと好きな音楽とかカルチャーの話なんかをします。昔の帽子の資料も見ますが、あまり参考にはしません。それよりも今の国内外のファッションだったり音楽やアート、建築などから刺激を受けることが多いですね。「世界に行ってもふさわしい物」を意識して作っています。
個人的な夢としては、いつかブランドが成熟して市場にも浸透したら、美術館で展覧会を開きたい。帽子ブランドでは珍しくルックの撮影をしているので、展示できる資料もあります。実用的な物としてではなく、ファッションとしての帽子を伝える活動を続けて、アートと融合できたらと思っています。
帽子の道に入って15年。すっかり帽子が自分に染みついて、相当なことがない限り、帽子以上に自分のクリエイションを出せる物は出てこないでしょう。一流のアトリエで素晴らしい先生に教えてもらえたのは本当にラッキーなこと。帽子は靴やバッグのように絶対必要な物ではありません。でも、夢のある仕事であり、僕もそこにいる以上、頑張らないといけないと思いますし、続けることが先生への恩返しにもなるのではと勝手に思っています。