70歳、世界のヒップスター(宮沢香奈)

2015/12/07 17:23 更新




ベルリン在住のモデルの友人がFacebookにポストしているのを見て知ったのが、今世界のメディアから引っ張りだこのスーパーオシャレおじいちゃんこと、Anton氏である。本名Günther Anton Krabbenhöft氏はベルリナーなら誰しもが知っている著名人であり、彼に会うと御利益があるとさえ言われている神的存在である。

偶然にも先日、いつも一緒に仕事をさせてもらっているフォトグラファーの佐賀井氏からファッション誌のスナップ撮影でAnton氏をキャッチしたという報告をもらい、羨ましい!と思っていたところだった。しかし、その数日後、Berghainで偶然にも彼に遭遇することが出来たのだ。

実は常連であり、多くのメディアでは彼のことを”Berlin’s Hipster”と呼んでいる

 

 
(warp magazineより)

 
(Berliner Zeitungより)

 

 Berghainで有名と言ったら、強面バウンサーのSven氏ぐらいしか知らなかった。

嬉しさと緊張で、いつもに増して意味不明な英語で話しかけてしまったが、さすがは有名人、いろんな人から声を掛けられていた。そして、ストリートだろうが、クラブだろうが、彼のファッションの軸は少しもブレていないことに感動した。

アンティークの眼鏡や時計を愛用し、シャツには必ず蝶ネクタイ、ジャケット、ハット、細身のパンツ、グローブ、ハンカチーフも忘れない。オーダーメイドからドメスティックブランドまで見事に着こなす。何よりブルーやグリーンをメインとしたカラーコーディネートのセンスには脱帽する。

これぞ、“Günther Anton Style”である。寒くなればなるほど、街はますますダーク系の暗い洋服で溢れかえる。そんな中、Anton氏の華やかさと笑顔はHappyな気持ちを与えてくれる存在でもある。

驚いたのは、御歳70歳というのに少しも背骨が曲がっておらず、ドイツ人ならではの背の高さとそれに見合った引き締まった体型がとてもステキだった。世界各地からモデルやインタビューのオファーが絶えない“売れっ子”だけあって、健康には気を使っているのかもしれない。

  

 

日本でもすでに大手セレクトショップがモデルに起用しており、人気メンズファッション誌も知っていた。この辺の情報収集の早さはさすがは東京といったところである。

飽和状態にならないうちに是非とも何かの企画でオファーしたいと考えているが、こだわりがあるだけにいろいろハードルも高そうである。

ベルリンは会いたいと思っていた人に会えてしまう街である。そして、Anton氏と握手を交わした数日後、とてもステキな話が舞い込んできた。

この街はまだまだ私にいろんなワクワクをくれる。

Photo by:Katsuhiko Sagai



宮沢香奈 セレクトショップのプレス、ブランドのディレクションなどの経験を経て、04年よりインディペンデントなPR事業をスタートさせる。 国内外のブランドプレスとクラブイベントや大型フェス、レーベルなどの音楽PR二本を軸にフリーランスとして奮闘中。 また、フリーライターとして、ファッションや音楽、アートなどカルチャーをメインとした執筆活動を行っている。 カルチャーwebマガジンQeticにて連載コラムを執筆するほか、取材や撮影時のインタビュアー、コーディネーターも担う。 近年では、ベルリンのローカル情報やアムステルダム最大級のダンスミュージックフェスADE2013の現地取材を行うなど、海外へと活動の場を広げている。12年に初めて行ったベルリンに運命的なものを感じ、14 年6月より移住。



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