有力ショップの24~25年秋冬は、季節に応じて重ね着のしやすいアイテムのバリエーションが焦点となった。暖冬の影響で厚手のウールコートは控えめで、テーラードジャケット、ブルゾン、ケープといったコンパクトなアウターの提案が目立つ。インポートのブラウス、上質な素材を採用したニットウェアなど付加価値の高い中間着も増えた。(価格は税込み)
最高のベーシック
ロンハーマン バイヤー 篠崎茜さん
8月に日本上陸15周年を迎えることから、「未来に向かって、新たな気持ちでワクワクする一歩を踏み出す」提案を心掛けた。一つは最高のベーシック。「オーラリー」と協業するシルク100%の洗えるニットトップ、大人の女性に向けた「ヘリル」のチノパンなど、上質な着心地を実感できる商品を念入りに揃えた。
スペシャル感のある新規ブランドも充実。イスタンブール在住の姉妹が手掛ける「ナキエ」は、トルコの伝統要素を取り入れ、モダンな配色で品のあるワードローブが揃う。仏パリの「AXEP」は洋服に付けるアクセサリーで、日常着の着こなしに新鮮味を出す。
注目アイテムは、ストレッチの利いたボトム。白シャツにレギンスなどメリハリのあるシルエットでアクティブな一面を添える。
絞って濃厚に見せる
インターナショナルギャラリービームス ディレクター 片桐恵利佳さん
春夏に続きリアルクローズに視点を置いて、ブランドを絞って濃厚な品揃えを意識した。春から扱う「セッチュウ」は独特のカットや素材の美しさが伝わり、消化も早かった。新たに仕入れたルイーズ・トロッターによる「カルヴェン」や「ザ・ロウ」「メゾンマルジェラ」とともに、シンプルエレガンスの提案を充実する。端境期対応では「アーニーパロ」と写真家との3者協業プリントTシャツ3型を製作、8月に催事販売を行う。