25~26年秋冬向けのレザーフェア(資材連)は、革らしい天然の風合いを生かしたユニークな表情が目を引いた。加工のテニックだけでなく、専門性を生かし、従来とは異なる切り口で提案するケースも増えた。全体傾向として、一段と軽さを意識した物作りが進んだ。
(須田渉美)
経年変化の質感
今のファッショントレンドを反映するかのように、ビンテージの革製品に近づけた風合いが目立った。
吉比産業は、フライトジャケットのG-1モデルの質感を、ゴートのヌメ革で表現した。植物タンニンなめしでも柔らかに仕上げる技術を持ったタンナーに依頼。そのヌメ革にたっぷりとオイルを染み込ませ、さらにワックス加工をして色に深みを出す。見た目は重厚だが、しなやかで軽さを感じる仕上がりだ。103円。
植物タンニンなめし革を専門にするカナメは、ふんわりと柔らかでドレープ感のある薄手の牛革を作った。ハリがあって、つかむとクシュッと小さくまとまる柔らかさだ。厚みが1ミリの革をベースに、3、4種類を配合したオイルを手塗りし、使い込んだような表情を出す。110円。
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