25年春夏レザートレンド 柔らかで奥行きのある表情を出す加工が多彩に

2024/06/18 15:00 更新会員限定


 国内の皮革メーカーや皮革卸が提案する25年春夏向けのレザーは、革らしい柔らかな風合いと、奥行きのある表情を出す加工が多彩になった。植物タンニンなめし革や白なめしの革を使ったバリエーションも広がり、現代のライフスタイルに取り入れやすい軽やかさが目を引いた。

(須田渉美、価格は1デシ=10センチ平方=当たり)

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経年変化を楽しむ

 イタリア皮革メーカーのトレンドとして、染色した後にワックスを浸透させて白味を掛けたレザーが数多く出ている。ミヤツグが輸入卸している、伊コンチェリア・ラ・ぺルラ・アッズーラのベリー(115円)はその一つ。下地の鮮やかな色が強調される経年変化を楽しめることが、天然由来の革製品をモダンに見せる付加価値となっている。

ミヤツグ

 そういった傾向も反映し、日本の加工技術ならではのユニークなレザーの開発や企画が進む。協進エルは、国産で傷が多く、B級といわれるヌメ革の活用を見いだす。染めた下地にオイルを浸透させ、金ブラシをかけて濃淡のある線の重なりを表現する。こすれた部分は下地の色が強調され、同様に経年変化の面白さがある。イエローやグリーン、ブルーなど合計10色を扱う。

協進エル

 植物タンニンなめし革を専門にするカナメが提案するのは、くたっとして色に深みのある薄手の牛革(100円)だ。植物タンニンなめし革は、柔らかな色味やしっかりとした固さを特徴にするが、0.8ミリにすいて染色し、オイルを染み込ませて柔らかく加工した。グレージングの仕上げも透明感を出す大事な要素だ。

カナメ

 ピッグスキン専門のニシノレザーは、豚革の加工ではイレギュラーな植物タンニンなめし革に取り組む。手間をかけた分、豊かさを感じさせる、ふくよかな風合いだ。なめし剤は、ケブラッチョ、ミモザ、チェスナット、タラパウダーを使っており、それぞれに異なる色味にも魅力がある。

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