「連載・型破り!マッシュスタイルラボ」あとがき

2014/12/29 15:03 更新


 「言葉が通じなくても、商品が会話してくれるから」。全国店長会の最後に、近藤広幸社長が語った言葉です。インバウンド対策がテーマで、一生懸命作った商品の魅力が絶対に伝わるから、自信を持って対応してほしいと話されました。

このことからも象徴されるように、近藤社長は“ものづくりの人”です。商品作りに力を注ぎ、その魅力でお客に訴えかける─。近年、ファッション業界で疎かにされていた、当たり前のことをぶれずに追求し、マッシュスタイルラボは若い女性たちに支持されています。極めて正統派といえるビジネス手法で成長している同社の姿勢を伝えたいと、この連載を企画しました。

自身をあまのじゃくと言い、一見クールに見える近藤社長ですが、実際はものすごく熱い方です。社員を大事にし、彼らを喜ばせることが生きがいの一つ。

例えば、新オフィスのデザインはいつも近藤社長が手掛けますが、出来上がるまでは一切社員に入らせない。入った瞬間の喜ぶ顔が見たくて、秘密で作業を重ねると別の方の取材で聞きました。

 社長室には色んなアートやおもちゃが飾られていて、てっきり社長自身のコレクションかと思っていたら、ほとんどが社員からのプレゼント。このマッシュの団結力が、強さの秘訣だと感じました。近藤社長の愛読書は、週刊少年ジャンプで連載中の『ハンターハンター』。ここでも事あるごとに仲間の友情が描かれ、物語の大きなテーマになっています。

 そもそも、どうしてグラフィック業界からファッションを始めたのかと聞くと、「自分以外の人を喜ばせるものづくりをしたかったから」とのことでした。

 「ものづくりで男女の対象がはっきり分かれているのって、ファッションぐらい。これまでの人脈を使わず真っ白な状態でやりたかった。レディスだと、自分は着ないから完全に人を喜ばせるために考えられるし、どんどん人に相談してやらざるを得ない。それがやりたかった」と言います。同社の企業理念は「私たちの発想を形にし、人々に幸せを届ける」ですが、その真髄を感じるエピソードでした。

 最後に。連載にあたり、本当に様々な方に取材させていただきました。お願いしておきながら、どうしてここまでオープンに取材させてくれるのか不思議でもありました。「(マッシュと同じことを)やれるものならやってみなっていう自信があったからですか?」と聞くと、近藤社長は苦笑いしながら、「こんな大変なこと、誰もやらないでしょう」と一言。この連載を通じて、そんな同社の真摯でピュアな姿勢が少しでも伝えることができたのなら幸いです。

東京本社編集局記者・金谷早紀子



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