印刷業務やネーム、タグ主力のマテックス(神戸市)が、衣料品の縫製工場で余った生地を活用し、紙に再生して販売する事業に乗り出す。縫製工場としては産業廃棄物としてコストをかけて処理していた物が紙のタグや包装用資材の原料として有効利用できる。既に大手アパレルメーカーが環境に配慮した資源循環の仕組みとして好意的に受け止め、取り組みが始まった。
(小堀真嗣)
余り生地を再生する取り組みは、マテックスと国内の製紙工場、紙専門商社で事業化を進めている。製紙工場は繊維製品を利用した再生紙の生産実績がある上、天然繊維と化繊が混ざった生地も混率を問わずに再利用できる技術を確立した。マテックスによると、「綿などの天然繊維は同じ天然の原料であるパルプと混ざりやすく、混抄紙(パルプにほかの繊維を混ぜて抄いた紙)にしやすいが、化繊は化繊自体の強度が邪魔して原料中に混ざりにくく、製紙効率が低くなる」という。このため、「現状は化繊と天然繊維の混抄紙はリスクが高く一般的に出回っていない」。