縫製機器の松屋アールアンドディ 自動化技術で成長

2020/06/09 06:27 更新


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3D縫製用のロボットも開発。AIロボットで省人化を実現する

 自動縫製機器製造の松屋アールアンドディ(福井県大野市、後藤秀隆社長)は、自社機を活用した縫製受託事業が着実に成長している。工場があるベトナムの優位性も背景に自動車部材や医療関連がけん引し、今年4月に東証マザーズに上場した。今後は上場による調達資金を開発に重点投入し、さらなる自動化や精度向上に取り組む。

(中村恵生)

 同社は後藤社長が家業の家庭用ミシン販売店を20代で継いだ後、工業用ミシンにシフトして立ち上げた。ユーザーの要望を受け、自動化に対応した縫製機器の開発をスタート、90年代には大手のシートベルト、カーシート製造用に採用されるなど機器事業を軌道に乗せた。エアバッグ用に最適化した2ヘッドミシンの自動縫製ステーション、レーザー裁断機など、省人化、効率生産につながる機器を開発している。

 現在につながる成長への転機となったのは00年代に始めた縫製品事業だ。自動車部材用の縫製機械を展示会で見たオムロンから、血圧計の腕帯の縫製を依頼され、自ら福井に縫製ラインを設置。この販売増に合わせて中国、ベトナム、ミャンマーに縫製工場を開設した。

 10年以降はベトナムの地の利を生かし、豊田通商や住商エアバッグ・システムズなどから受託したカーシート、エアバッグの縫製に進出。東南アジアの自動車生産の伸びも後押しし、ベトナムは第5工場まで増設、縫製事業売上高は年平均18%近い成長を継続し、19年には63億円となった。

 一方、国内でも双日子会社だった縫製のタカハター(宮城県栗原市)を17年に子会社化、同社が受託する小型車用カーシート縫製をベトナムで数量拡大する狙いで、シナジーを追求している。

 同社の縫製事業の強みは、顧客それぞれのニーズに対応しながら、自社開発のハードと、生産プロセスなどのソフトを組み合わせ、ソリューションを提供出来る点だ。ベトナムにはイノベーションセンターを置いており、ここを起点に機器やプロセスの自動化の精度を上げ、AI(人工知能)の活用も進める。

 またこれまで、大量生産型の縫製品を主力にしてきたが、アパレルでも一層の省人化を求める動きやマスカスタマイゼーションの流れが出ており、これらのニーズにも応えていく構え。過去に、米ブランドのスニーカー用としてロボットアームのついた双腕縫製機を試作しているが、精度を上げて3D自動縫製の実用化も狙う。新規分野として、ドローン用エアバッグや、現在は顕微鏡を使って縫製している微細な医療器具用の自動化なども強化する。

 上場後初となる、20年3月期の連結業績は、売上高86億3100万円(前期比14.8%増)、営業利益4億700万円(2.3倍)、経常利益3億8000万円(70.1%増)、純利益2億2300万円(約2倍)でいずれも期初見通しを上回った。今期は新型コロナウイルスの影響で自動車生産がダメージを受けるが、6月以降、徐々に回復を見込んでいる。


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