《めてみみ》新・ICT活用

2020/02/19 06:24 更新


 三井不動産がビームス、大日本印刷と共同で、ICタグを活用した商品情報読み取りの実証実験をららぽーとの一部施設で開始した。既にICタグを導入している「ビーミング・バイ・ビームス」の店舗内に複数の読み取りアンテナを設置し、店頭商品の読み取り精度と範囲をまず検証する。

 ビームスを含め、アパレル企業の多くがここ数年でICタグを積極的に導入中だ。ただし、大半の企業は人手不足の中で店舗スタッフの負担を軽減するため、棚卸し作業にICタグを活用している。店頭の商品情報の読み取りを目的とした例は、SCではあまりない。

 SCには数多くの店舗があるため、例えば、「赤いセーターが欲しい」と思った客はどの店で買ったらよいのか悩むこともある。ディベロッパーがどの店にどんな商品があるかをデータとして把握し、客にしっかり伝えれば、客の利便性と比較購買するための回遊性につながる。

 三井不動産の実験はこれを目指した。最終的にはICタグから得た商品情報を自社ECモールやスマートフォンアプリなどと連携し、「お客が欲しい商品がある店が常に分かり、どこでも購買できる仕組みにする」構想だ。ECとリアルの共生がテーマとなるなかで、ICT(情報通信技術)を活用した新しいビジネスモデルへの挑戦がSCで始まった。



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