5月に入り、この時期ならではのイベントが始まった。ニューヨークのメトロポリタン美術館でも恒例のファッションに関する展覧会がスタートした。今年のテーマは「イン・アメリカ:アン・アンソロジー・オブ・ファッション」。18世紀から20世紀初頭のアメリカ絵画、彫刻、装飾品を展示している。
この展覧会は昨年9月に始まった「イン・アメリカ:ア・レキシコン・オブ・ファッション」に続くもの。実はメトロポリタン美術館の展覧会のスケジュールは一昨年、コロナ禍の影響で秋へとずれ込み、5月に開幕するのは3年ぶりだ。一昨年は見送られたガラパーティーも9月に続いて開催した。華やかなパーティーの模様はニューヨーク・ファッションの再生を感じさせる。
欧州でもファッションに関する展覧会が再開されている。パリのパレ・ガレリア(パリ市立モード美術館)で開催中の「愛は愛を呼ぶ」展は、アルベール・エルバスへのオマージュとなる展覧会。エルバスが新型コロナにより他界して1年。エルバスへのオマージュを込めた46人のデザイナーによる作品が展示されている。
甚大な被害をもたらしたコロナ禍を経て、ファッションならではの人々の心を豊かにするイベントが再開されつつある。人々が集い、新しい美しさを発見する喜びをかみしめる日常が始まった。