楽天ファッション・ウィーク東京23年春夏が佳境を迎えている。この春夏のファッションウィークは、各都市でフィジカル(リアル)のショーの完全復活になると見込まれる。それだけに東京の到達点に世界からも関心が寄せられる。
スケジュールを見ても、パリでの発表を再開すると見られていた「アンリアレイジ」や「ヨシオクボ」がパリの再開前に、東京で発表することとなった。それぞれのブランドの歴史や現状を見据えて、あえての選択であろう。ランウェー形式で初めて発表するブランドや数年ぶりにファッションショーを再開するブランドもあり、その出来栄えも注目される。
一方で、本格的なフィジカル復活となるであろう欧米各都市のファッションウィークに比べて、いまだにフィジカルとデジタルが混在するスケジュールになっていることも気にかかる。フィジカルの再開によって、ファッションや服の美しさをリアルに伝えるのには、ショーに勝るものはないことが明らかになったからだ。
前半のショーを見て感じるのは、メンズブランドのデザインの背景に東京らしいストリートの文脈が見られること。ウィメンズでは、女性の体を意識して新しい女性像を描こうとする若手デザイナーが出てきた。こうした流れが、新しい東京の魅力として世界に伝わることに期待したい。