《めてみみ》41位の実力

2022/09/09 06:24 更新


 ビッグマック指数をご存じだろうか。マクドナルドの「ビッグマック」1個の価格を比較することで、各国の経済力を測ろうというもの。ビッグマックは全世界でほぼ同一品質で販売され、原材料費や店舗の光熱費、店員の賃金などを元に単価が決まる。このため、各都市の物価に比した賃金水準を推計出来る。

 現在の日本のビッグマックは390円。これは世界のビッグマックの価格の中では41位だ。1位はスイスで6.5フラン(約925円)。マクドナルド発祥の地である米国での価格は5.15ドル(約710円)、英国では3.69ポンド(約612円)で、いずれも上位につけている。

 海外から日本に来る外国人観光客が、日本の物価が安いと言うようになったのはいつ頃からだろうか。確かにこれらの国から来た外国人客からみれば、ハンバーガーは自国の半額に近い値段で購入できる。それは、日本で原材料費や労働者の賃金がいかに諸外国に比べて抑えられているのかを映し出す。

 ウクライナ侵攻などを背景に、原燃料や光熱費の高騰が深刻化している。それは当然、もろもろの原材料費の高騰へとつながる。それを価格に転嫁できるかどうか。物作りをする企業にとって頭を悩ますところだ。値上げに対する購買力があるのかどうか、ビッグマック価格41位の実力が問われている。



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