帝人フロンティアは、古着のリユースやリサイクル事業を手掛けるファイバーシーディーエム(CDM)と組み、衣料品を回収・選別し、再利用・再資源化して循環システムの構築を始める。
重村幸弘取締役執行役員技術・生産本部長は、ファイバーCDMの大阪・泉南工場で大量の衣料品が次々と選別されていく光景に衝撃を受けた。「原料からこだわり、新しい商品作りに専念してきた。作った服の行き先は知ってはいたが見たことはなかった。あえて見ないようにしてきたのかもしれない」。自分の目で見たことが活力になり、「捨てたり、燃やしたりする服を減らしたい」とリサイクル技術を磨き、循環型の事業を前に進める。
伊藤忠商事は、エコミット(川野輝之社長)と組み、繊維製品の回収サービス「ウェア・トゥ・ファッション」を始めた。川野社長は別会社で働いていた際、中国で健康被害を受けながらも女性や子供が日本製家電製品からレアメタルを取り出す様子を見たことで、「こうした事業は続かない」と環境ビジネスを志した。
現場には力がある。環境配慮の取り組みを進めるには消費者を巻き込むことが大事だが、まずは自分たちから。物作り、廃棄・再生の現場を今こそ直視し、できることから始めてはどうだろうか。私もファイバーCDMの工場を訪れ、強く感じた。