《めてみみ》独自路線

2022/11/08 06:24 更新


 高島屋とエイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)は、09年から継続していた資本提携を解消した。両社は08年に資本・業務提携で合意して経営統合を目指したが、10年に断念。リーマンショック以降に売り上げが大幅に落ち込み、経営統合による拡大路線を見直した。

 その後も資本・業務提携は継続し、限定・独自商品でのロットをまとめた仕入れ、開発や催事、販促の共通化に取り組んできた。今後も業務提携は維持し、衣料品やギフト商品の共同開発を続ける。

 経営統合を見送ったことで、株式を持ち合う意味が薄かったとはいえ、13年にわたって資本・業務提携を続けてきた。しかし、ここ数年で株式の持ち合いに対する投資家の目が厳しくなり、資本提携を見直すきっかけとなった。コロナ禍で落ち込んでいた大手百貨店の株価は、ラグジュアリーブランドなど高額品の消費が上向いたことで、足下で復調している。株価が堅調なことが後押しした。

 相互に5%程度保有していた株式は互いに売却する。今年度に高島屋は26億円、H2Oは38億円の投資有価証券売却益を計上する予定だ。都心部に大型店を構えて商業施設開発の東神開発のノウハウを蓄積する高島屋と、京阪神エリアでドミナント化する阪急阪神百貨店は、他の百貨店グループと異なった独自路線を明確にしていく。 



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