《めてみみ》テーラーリングの現在地

2023/01/06 06:24 更新


 年明け早々に、23~24年秋冬メンズコレクションがスタートする。コロナ禍を経て本格的に再開した日常とともに、メンズファッションがどう変わっていくのか注目される。

 伊・フィレンツェのピッティ・イマージネ・ウオモ展もフィジカル(リアル)での復活の途上にある。前回の出展者数はコロナ禍前と比べると半分程度。とりわけ、ピッティ展の見どころの一つであるクラシックなテーラーリングでの出展が減り、この市場の動向を占うにはサンプルが少なかった。

 世界の専門店の売り場を見た時、メンズとウィメンズでは品揃えに大きな違いがある。ウィメンズのラグジュアリー売り場がデザイナーブランドがメインであるのに対し、メンズのトップにはクラシックなテーラーリングが並ぶ。それが変化した。コロナ禍で働き方が変わり、ダイバーシティー(人材の多様性)をはじめとする考え方も広がるなか、男性の服の選び方が変わった。

 メンズテーラーリングの市場は、今後はどう進むのだろうか。確かに世界的に市場は縮小しているのだろうが、ファッションとしてのテーラーリングが無くなるわけではない。23年春夏のウィメンズのようにファッショントレンドとしてテーラーリングが脚光を浴びることもある。その現在地を探るファッションウィークが間もなく始まる。



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