《めてみみ》インバウンドへの対応

2023/02/09 06:24 更新


 昨年10月に政府の水際対策が大幅に緩和されてからインバウンド(訪日外国人)需要が急伸している。入国規制が厳しかった中国からが少なかったにもかかわらず、昨年11~12月のインバウンド売上高はコロナ禍前の19年同期実績を上回った商業施設もある。

 USPジャパンによると、今年のインバウンド数は2000万人となる見通し。ピークだった19年の3188万人には及ばないものの、昨年の383万人を大きく上回る。「日本から外国への渡航が増え、外国との航空路線が戻るのが前提」(新津研一社長)だが、24年は4000万人に達する予想だ。実現すれば急拡大した13~19年以上の伸びとなる。

 商業施設や店舗は拡大する需要を取り込むための態勢をしっかり整えなければならない。コロナ下で店舗で働き始め、インバウンド全盛期を経験していないスタッフも多い。先輩が経験を伝えることを含め、接客・サービスの教育が重要だ。

 3年間で変化したインバウンドのニーズへの対応も不可欠だ。新津社長によると「お客はデジタルで情報収集した上で、ローカルで、より多くのお金を費やす付加価値の高い体験を日本での旅に求めるようになった」、対応するには「これまでの商品の磨き上げとともに、日本らしさの深掘りが重要」という。ファッション企業にも参考になる。



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