《めてみみ》クワイエットラグジュアリー

2023/09/26 06:24 更新


 クワイエットラグジュアリーと呼ばれる上質な高額品市場が広がっている。ブランドロゴや派手なデザイン性を排し、抑制された配色の基本的なアイテムで、より洗練されたスタイルだ。「ロロ・ピアーナ」「ヘルノ」「ブルネロクチネリ」「ザ・ロウ」などが代表格という。

 伊勢丹新宿本店は9月、新たな編集ゾーン「コンテンポラリー」を開設した。ラグジュアリーブランドとの買い回りを狙った大人のための上質な日常着を提供する。ハイエンドとモデレートアッパーの中間価格帯の新大人服として百貨店婦人服の空白市場を開拓する狙いだ。

 ラグジュアリーブランドと同等の素材感、縫製など仕立て映え、日本人の美意識に合う繊細な華やかさのある商品だ。「ラグジュアリーブランドは持っているが、他人とかぶるのはNG。さりげなく自分を表現できる日常着がない」という顧客の要望に応え、匿名感とトレンド性を兼ね備えた新しいファッションを追求する。

 ブランドとの共創プロジェクトも始めた。第1弾はジャケット。小ロットで原価率を引き上げて物作りする。1型10枚など上質素材や限定色などの商品を販売する。価格は違うとはいえ、クワイエットラグジュアリーのような装いは、持続可能な長く着られる服を選びたい、着る人が感じたり考えたりする空気感が共通する。



この記事に関連する記事