《めてみみ》将来のファン作り

2023/10/18 06:24 更新


 阪神電鉄尼崎駅近く、尼崎中央3丁目商店街は関西有数の商店街の一つである。「日本一早いマジック点灯」を行う場所としても有名だ。もちろん、点灯させるのは、地元のプロ球団・阪神タイガースのマジック数。毎年、開幕前の3月末に143試合の全勝を意味する143が点灯する。18年ぶりのセ・リーグ優勝を決めた9月14日の翌日、その数字はついに0となった。

 パ・リーグも関西勢のオリックスが3連覇を果たした。両リーグで、日本シリーズ進出をかけた戦いもスタートした。久々の関西決戦が実現するか。しばらくの間は関西のプロ野球ファンの盛り上がりが続きそうだ。

 プロ野球離れが言われるが、記者と同様に50代の人たちには、まだまだプロ野球ファンが多い。少年時代の刷り込みが大きいのだろう。テレビゲームはなく、親も仕事で忙しい。たまに親に連れて行ってもらえるのは、近くの遊園地か百貨店の食堂か、プロ野球観戦ぐらいだったという人は多い。

 さて、今の子供たちは服を買う楽しみを感じているだろうか。ワクワクした体験が残れば、服に対する思いは多少なりとも刷り込まれる。逆に楽しくなければ、当然思い出は残らないだろう。厳しい経営環境のなか、目先の数字に追われるのは仕方ないが、10年後、20年後に向けたファン作りも欠かせない。



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