横浜市のSC、トレッサ横浜は10月2日から、営業時間を1時間短縮し、閉店時刻を早めた。SC業界で深刻化するテナント従業員の人手不足解消につなげるのが狙い。「テナントからは勤務シフトが組みやすくなったなど好評」だ。
売り上げも伸びている。11月は同月として過去最高を更新した。市況の回復に加え、「テナントとお客向けの告知を早めにし、混乱が生じないようにした効果も大きい」。「閉店時刻が早まった分、お客の購買が早い時間帯に移行した」という。
テナント従業員の働き方改革を強化するSCが増えている。全店一律で営業時間を短縮したり、休館日を設けるだけでなく、一定の条件内で、テナントが自由に営業時間を設定できたり、休館日を選べる制度を導入するSCも出てきた。
営業時間短縮は人手不足解消への有効な対策の一つ。ただし、顧客サービスのために時短を望まないテナントもある。ディベロッパーとテナントが顧客ニーズを分析し、「何が最善か」をしっかり話し合うことが不可欠だ。トレッサをはじめ、成果を上げているSCはテナントと密に情報交換し、連携している。
日本ショッピングセンター協会は来年1月の予定で、営業時間見直しなど人手不足対策について、ディベロッパーとテナントが意見交換する場を設ける。活発な議論と前向きな提案を期待する。