ベトナムの経済成長が目覚ましい。25年の実質GDP(国内総生産)成長率(推計値)は前年比8.02%増。これは他の東南アジア諸国と比べても高い伸びだ。製造業の成長率は約10%増で、サービス業も8.6%増だった。
30年に向けてさらなる成長を目指し、26~30年で年率10%以上伸ばす方針。今年のGDP成長率目標も10%以上で、輸出、内需ともに拡大し、経済成長を一気に加速する考えだ。
人件費も高騰していく。1月から地域別に設定する最低賃金を改定し、月額で平均7.2%引き上げた。企業は人件費の伸びを上回る成長を実現しないと淘汰(とうた)される。繊維専門商社のSTXは、ホーチミン近郊の主力縫製工場を移転する。人件費を抑えられ、かつ人材が確保できる地域に移して生産能力を引き上げ、日本・欧米向けを増やす狙いだ。
経済成長で1人当たりのGDPが25年に初めて5000ドルを上回ったとみられる。イオングループはベトナムを海外の最重点市場と位置付け、出店を加速する。伊藤忠商事は出資する現地アパレルのコーウィルとの連携を強化、他のアパレルブランドとの取り組みも広げる。他の商社でも現地アパレル向けOEM(相手先ブランドによる設計)や生地販売を強める動きが目立つ。縫製拠点としての活用に加え、人口約1億人という市場としての魅力が増してきた。
