《めてみみ》立ち食いそば屋の作法

2026/02/10 06:24 更新NEW!


 立ち食いそばをよく利用する。都内には複数のチェーン店が出店しているから、取材の合間に少し探せば最寄りの店がすぐ見つかる。ご飯物とセットにしても、トッピングの天ぷらを頼んでも1000円以内で済むし、短時間で腹を満たせる。

 昨年末、そうしたチェーンのある店舗が貼り紙を出した。「旅行者の方はランチタイムの来店をご遠慮ください。当店はこの近辺で働く人たち・学ぶ人たちを優先します」。近隣のオフィスや学校から通う客のクレームがきっかけらしい。

 異国情緒を味わいたいからか、確かに最近、立ち食いそば屋で外国人客を見かけることが増えた。大きなトランクが狭い店内の動線をふさぐとか、メニュー選びに手間取って券売機に行列ができるとか、常連客が迷惑する理由も想像がつく。

 その店が独自に作った貼り紙は日本語を含む4カ国語対応で、特定の国を名指するものではなく、昼時の利用を控えてくれという内容。だが、チェーン運営会社は客に失礼だと判断し、貼り紙はすぐ撤去された。

 常連客への配慮もインバウンドのファン作りも商売には大切だ。観光立国戦略の効果で訪日客が増え、それが両立できない状況が生じている。だったら立ち食いそば屋の正しい利用法をそば屋が伝えるだけでなく、政府もオーバーツーリズム対策の一環で外国人に教えるべきかもしれない。



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