「ミナ・ペルホネン」のデザイナー、皆川明さんは、日本のテキスタイルメーカーや縫製工場とともに、健全なファッションビジネスの形を探り続けてきた。過剰生産や早期化するセール、在庫の焼却処分など山積する課題はどのように解決すべきなのだろうか。コロナ禍を経て見えてきた、進むべき道を聞いた。
(青木規子)
国内のアパレル生産量は、今後も減少傾向と見られます。その原因は、(コロナ禍による)直近の消費の落ち込みというネガティブな要因と、廃棄ロスをなくす計画生産によるポジティブな要因の複合的なものになるのではないかと思います。
利益を健全に確保する
これまで、売り場面積と需要のスピードの歯車が合わず、商品が余り、その対処として値引きをするという、負の条件が重なり合ってきました。その問題が問題とならなくなってきたことが問題です。過剰生産は、製造メーカーへの値引きの一因ともなり、業界全体を不健全化させていると言えるでしょう。
これからは、より日本の物作りの丁寧さや創造性を生かした物を適量作り、安定した売価で利益と信頼を得ることを考えていかなくてはいけません。
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