副資材を主力とするモリトの好業績が続いている。前期(24年11月期)の連結決算は2期連続で売上高と営業利益、経常利益が過去最高となった。26年11月期を最終年度とする第8次中期経営計画を遂行中。営業利益目標の30億円は今期に達成を見込む。
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前期は売上高が前期比微増の485億円、営業利益は16.4%増の28億円となった。粗利益率が向上し、23年度と比べ1.8ポイント改善して29.1%だった。国内を中心に販売条件の見直しなど、利益を上げる営業活動を実施した成果という。人件費は増加傾向だが、運送費・荷造費を削減に努めて営業利益を拡大した。
今期は「収益性に加え、売上高の成長が重点、投資も積極的にする」。売上高は530億円、営業利益は31億円の計画を掲げた。
売上高が大幅に増える要因の一つが、BtoC(企業対消費者取引)事業強化の一環で昨年12月に実施したファッションECを主力とするミスアイディ(福岡市)の連結子会社化。同社の9カ月分の数字(のれんは精査中)を織り込んだ。ミスアイディは「今後10年間で売上高100億円規模を目指す」とし、効果の最大化を目指す。
シナジーについては、ミスアイディにモリトのグローバルな副資材供給網を提供、ミスアイディが持つウェブに特化したBtoCの知見をモリトの既存事業に生かしたい考え。プロダクト関連事業で今期、立ち上げ準備を始めたDtoC(消費者直販)ビジネスも「ミスアイディとの協業で作り上げていきたい」とする。
M&A(企業の買収・合併)を含めた新規事業も「積極的に検討している」とし、8次中計で掲げる売上高目標の600億円、その先の30年に掲げる売上高800億円、営業利益50億円に向けて弾みをつけたい考え。一坪隆紀社長は「BtoCは強化するが、売上高に占めるBtoC比率は15~20%まで」とし、「BtoB(企業間取引)がグループの中核。どちらも成長拡大させていく」と強調した。