(第1項)ショップを運営する上で知っておく利益とは?
3.売価・原価・値入・粗利益を理解する②
前回の講義で、売価・原価・値入について、また商品がセールしないで売れると値入高(率)と粗利益高(率)は同じになることまで学びました。今回の講義は、その続きになります。
では問題です!バイヤー兼MDのDさんが、元売価10,000円のバッグを仕入原価5,000円で1点仕入れたました。ここまでは前回の講義と同じです。
今回の問題は、上述したバッグが元売価の10,000円では売れずに、30%オフで販売すると売れました。粗利率は何%になるでしょう?
できました!
Dさんにとっては簡単なので、今回は余計なことは言わないでください(笑)
(考え中)
Tさん、問題が難しいと感じたら、上記の図をみてください!
承知いたしました(まだまだ考え中)
出来ました!
まず、10,000円の商品が30%OFFで売れたということですから、10,000円(元売価)×(1-30%)=7,000円(売上)となり、7,000円の売上になります。
せんせが表示した図の構造からみると、売上原価は仕入(在庫)原価と同じ5,000円ですので、7,000円(売上)-5,000円(売上原価)=2,000円(粗利高)になります。
そして、前回せんせから教えて頂いた粗利率を導き出す公式を活用すると、2,000円(粗利高)÷7,000円(売上)=28.6%(粗利率)となり、答えは28.6%となります!
Tさんブラボー!大正解です!
Tさん素晴らしいです!因みに、読者の皆さん方にお伝えしておきますと、粗利率を導き出すときは、小数点1位まで表示することが一般的です。
商品をセール(値引)して売れた場合、粗利益高が下がります。ショップ運営においては、セール(値引)して商品が売れた場合は、粗利率が下がることも覚えておいてください!
承知いたしました( ..)φメモメモ
ここでDさんに質問なのですが、ショップの(日々や月等の)売上等を管理する帳票はありますか?
はい、あります!
その帳票に粗利益は存在しますか?
現状弊社では売上しか記載がないです。日時の売上予算・実績・予算比・昨対比だけです。
御社のシステム等の問題があるのかもしれませんが、ショップの帳票に粗利益(率・高)の欄を設けた方が良いと思いますね。
今回の講義を聞いていて、私もそう思います。やはり店長たるもの、損益も意識しないといけないですからね~。
確かに損益のこともあるのですが、粗利率の増減を追うことで、例えばSV(スーパーバイザー)が、店頭とやりとりするときに便利な指標ともなります。例えば、VMDのチェックとかですかね。
なるほど。弊社はセレクトショップですから、例えば、(セールをしていないのに)粗利率が低い場合だと、買い付け商品がVMDの中心にきている等の仮説が立てられますよね?
まだ教えていないことを先に言いましたね~。
今回の講義の例で言うと、例えば、粗利率が低くて買上客数が少ないにも拘らず売上が良い場合等は、ショップスタッフの友人や家族が友人割を利用してたくさん買ってくれたことも考えられます。売上は良いけど、ショップの状態が良いのかはわからない等と、売上と粗利率の関係性がわかれば、ショップ運営に活用出来ることが多くあります。
もしショップ管理している売上管理表等に粗利益関連が記載されていなければ、今回の講義をきっかけに粗利益を記載してみることを試みるきっかけにしてもらえると幸いです。
ということで、今回も字数制限が来ましたので、講義を終了します。次回は、ショップの“ロス”について考えていきます。
では、皆さん。次回もお楽しみに(@^^)/~~~
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佐藤正臣 95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立上をMDとして担当。10年よりフリーランスとして活動開始。シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。小売り企業へのMDアドバイスや専門学校での講義・また海外での講義等。現在、多方面で活躍中。www.msmd.jp