ミャンマー地震、繊維企業への影響は限定的

2025/03/31 17:00 更新


 ミャンマー中部のマンダレー近郊で3月28日午後に起きた地震による被害や稼働状況を現地に法人を持つ繊維関連企業や縫製工場を運営する企業などに聞いた。日系企業が進出したり、縫製工場を持つのはマンダレーから約600キロ離れた最大都市ヤンゴンが中心。31日午後の段階では通常稼働できている工場やオフィスが多く、被害は限定的のようだ。

ヤンゴンは通常稼働

 ワコールホールディングスは、ヤンゴン近郊のティラワ経済特区に独資の縫製工場、ミャンマーワコールを持つ。工場設備などへの被害はなく、従業員の安否確認も終えた。ただヤンゴンの停電の影響で31日は臨時休業した。

 ヤンゴンに二つの縫製工場を持つマツオカコーポレーションは、両工場とも通常通り稼働しており、従業員や建屋への被害はなかった。今のところ事業への大きな影響はでていないが、政府関連施設が被害を受けていることから継続して貿易状況や交通インフラ動向に注視する。

 帝人フロンティアミャンマーはヤンゴン市内にあり、全社員の無事を確認、通常営業している。ハニーズホールディングスはヤンゴンの自社縫製工場の建屋、設備、従業員に被害はなかった。通常通り稼働している。シャツメーカーのフレックスジャパンのヤンゴン自社縫製工場も建屋、設備、従業員に被害はなかった。大規模な祭りが始まる前で、全寮制の従業員が地方に帰省するため、工場は先週末から早めに休みに入っていた。そのため、生産・出荷作業などは完了済み。ただ「地方の従業員の実家の被害が心配だ」という。小島衣料のミャンマー縫製工場も通常通り稼働している。

 キャロットカンパニーは昨年、同社初のメンズバッグ「フルクロ」の生産に向け、協力工場に出資する形で新工場がスタート。従業員含め被害はなく、稼働、搬出できているという。

 イオングループではヤンゴンの食品スーパーなど8店は通常営業しており、マンダレーの2店は店舗に被害はあったが店頭で必需品の販売を再開した。

タイでも限定的

 隣国タイでもビルが倒壊するなど被害が出ている。東レのタイ拠点は人的、物的被害はない。

 帝人フロンティアグループの各工場も人的、設備ともに被害はなく、通常稼働している。

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