小田急SCディベロップメントが新宿駅南口で運営する新宿ミロードが3月16日に閉館し、開業から40年の歴史に幕を閉じた。同日は雨天にもかかわらず、別れを惜しむ客が朝から多数来館、午前11時の開店前に524人が並んだ。「ファイナルセールの売り上げも好調」(加賀正輝新宿南口営業室副支配人)で、有終の美を飾った。
(有井学)
【関連記事】《視点》新宿ミロードから学ぶ
開業40周年の昨年10月4日から閉館に向けた全館イベント「フィナーレキャンペーン」を3段階に分けて実施、若い女性に向けて「等身大のファッション」を提案し続けてきた館のメッセージを伝える動画を9月から配信、セールや客からのメッセージの募集などを行った。キャンペーン開始以降、「若い女性だけでなく、かつてミロードに来ていた上の世代のお客も多く来館した」。中でも開業時から出店し、同館にしかないレストランは盛況だった。
キャンペーン効果で売り上げも好調だった。閉店セールを中心にキャンペーンの最終企画を開始した3月10~15日の入館者数は約12万2000人(前年同期比31.2%増)、全館売上高は210.2%増の約2億6700万円。24年4月~25年3月15日の全館売上高は約80億3400万円(7.2%増)となった。3月15日は入館者数が37%増、売上高が78%増で、最終日は「さらに上回った」模様だ。

閉店セール一辺倒ではなく、最終日まで春物プロパー品を販売する店もあった。「ファッションビルとして、最後まであるべき姿を見せていこうとテナントにお願いした」という。3月8日からは「ミロードらしい推し活の提案」として、K-POPグループ「トゥアス」の期間限定店を開設、8日間で3000万円以上を売り上げた。
閉館は小田急電鉄など3社による駅西口再開発に伴うもの。新宿ミロードの跡地は小田急の単独事業で、新施設ビルには商業ゾーンが入る。大津秀樹新宿南口営業室支配人兼新宿西口営業室支配人は「40年間、多くのお客に支えていただいた。閉館はさびしいが、再開発によって変わっていく新宿西口の今後には期待している。ミロードで培ったものも生かしていきたい」と語った。