究極のTシャツ作りませんか 小野莫大小が生地を開発

2017/09/20 04:28 更新


 究極のTシャツ、作りませんか――丸編み製造・販売主力の小野莫大小工業(東京、小野元延社長)が、エジプト超長綿の希少品種、ギザ87を使ったTシャツ地を開発した。自社の技術とネットワークを駆使し、素材の良さを生かした一品だ。

 ギザ87は、繊維長、繊度、伸縮性ともエジプト超長綿で最高レベルの品種。生産量は極めて少ないが、同素材の綿花栽培から手掛ける伊シャツ地メーカーのアルビニと3年前から協業し、今回の開発が実現した。

 「ジャケットやスーツスタイルにも合い、1枚で着てもカジュアルに見えない上質なTシャツを目指した」生地は、しっとりと滑らかで柔らかく、優雅な光沢を放つ。良質なシルクを思わせる見た目だが、綿にシルキーな光沢を与える定番のシルケット加工は使っていない。「ギザ87が持つ柔らかさを最大限生かしたかった」ためだ。協力先の加工場に生機を送り、シルケット加工とは別の仕上げを模索、完成にこぎつけた。

 糸は、高級ドレスシャツに使われる120番双糸。透けにくくするため、それをさらに双糸にし、天じく、フライス、スムースを提案する。両面編みで、しっかりと厚みが出るスムースは、Tシャツとは少し異なる見え方を狙った。120番双糸をそのまま使ったハイゲージの薄地スムースも揃える。

 生地値はアパレル入り価格で1メートル当たり3000円以上、Tシャツにすると数万円になるが、17~18年秋冬向けで打ち出したところ、セレクトショップや通販など様々な顧客が高い関心を示したという。

昨年新設した社長直轄の研究開発室が開発



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