オンワードHD 中期3カ年計画 売上高2800億円目指す

2019/04/09 06:30 更新


 オンワードホールディングス(HD)は今期(20年2月期)から22年2月期までの3カ年中期経営計画で、①クリエーション・ファースト事業の展開②ファクトリー・トゥ・カスタマー(F2C)事業の加速③ハイクオリティ・ライフスタイル事業の開発――の三つの成長戦略を掲げる。これらの施策を通じて、最終年度には連結売上高2800億円、営業利益100億円、営業利益率3.6%、ROE(株主資本利益率)5%、EC化率15%、海外販売比率25%を目指す。

(北川民夫)

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 オンワードHD保元道宣社長は「三つの成長戦略を軌道に乗せるとともに、事業構造改革を推進することで営業利益で55億円を増益する」という。

 クリエーション・ファースト事業では「グローバル戦略やオムニチャネル化を標準装備する」手法で、「23区」「五大陸」「グレースコンチネンタル」「ジル・サンダー」などのブランド価値を高めるとともに、高機能ダウン「ADS」(アドバンスドダウンシステム)など開発技術を生かした製品の販売に注力する。

 F2C事業ではマス・カスタマイゼーションに対応する「カシヤマ・ザ・スマートテーラー」事業を国内外で拡大する方針。これに伴ってオンワードHDの子会社、中国の樫山大連は3日、カシヤマ・ザ・スマートテーラーの第2専用縫製工場を開業した。スーツの年間生産量は10万着。IoT(モノのインターネット)やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)による受注から在庫管理、仕分けや資材発注、輸送までを自動化する。「蓄積した職人の縫製技術と融合することで高品質なオーダーメイドスーツを短期間で供給する」。また、樫山大連は2日、カシヤマ・ザ・スマートテーラーの中国初出店となる「カシヤマ大連ガイドショップ」を大連森ビル20階にオープンした。売り場面積は80平方メートル。メンズおよびウィメンズスーツやメンズシャツのオーダーに加えて、次世代向け高機能セットアップライン「モダンテーラード」を揃える。

 ハイクオリティ・ライフスタイル事業では、ココバイのオーガニックヘアケアおよびスキンケア製品「プロダクト」やチャコットのフィットネスウェア「チャコット・バランス」、グルメ通販サイト「オンワード・マルシェ」、カタログギフト販売を主力とする大和、クリエイティブヨーコが運営するペットショップ「ペットパラダイス」などの事業を進める。「アパレル事業とのシナジーを生む美容や飲食、ギフト商品の開発を進める」方針。



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