ファッション物流のオーティーエスがオムニチャネルの最適物流を提案

2022/02/18 06:26 更新


「日本ブランドのサポーターとなり、共に成長していきたい」と田中優一郎社長

 ファッション物流のオーティーエス(東京)は、荷主企業に最適な物流のあり方を提案している。スタートアップから大規模事業者まで、きめ細かいサービスを提供しながら、荷主企業の事業拡大を支援する考えだ。

出荷効率も意識

 たとえばオムニチャネルについて、一般的には実店舗とECの在庫を一元化した方が良いとされるが「ミクロでみるとそうでない場合もある」と説く。EC市場が拡大するなかで、保管効率を考慮して在庫を集約する流れが強まる一方、「物流コストに関わる出荷効率も同時に意識しなければならない」とし、倉庫内のレイアウトの工夫が求められるからだ。

 1000坪(3300平方メートル)を超え、EC注文が活発な倉庫で在庫を一元管理すると、全エリアにEC在庫が分散することになり、ピッキングが非効率になるケースも出てくる。ピッキング効率を高めるためにはシーズン、カテゴリー問わず全SKU(在庫最小管理単位)を一元化するのではなく、倉庫内でロングテールアイテムなどのEC在庫を集約しておくというのも一つの選択肢になりうる。

 また、ジュエリーなどサイズが小さいアイテムはピッキングエリアのスペースが少なく済む。狭い庫内でスムーズに出荷するには、ピッキング頻度の高い商品は距離を空けて保管するなどの対応が必要になる。

海外展開を支援

 同社は今期から企業ミッションを〝ブランドビジネスサポーター〟と設定。スタートアップ企業や小規模ファッションブランドが元気に活躍できるように、物流面で支えていきたいと考えている。

 実際に成長途上のデザイナーブランドからのEC物流のアウトソーシングが多くなっており、特に「シーズン300枚ほどの出荷や、年商1億円ほどのブランド」の支援をより一層強めていきたい考えだ。

 卸から実店舗やEC開設などで小売りへと移行したことで、在庫が増えて物流業務の負担が大きくなってきたブランドのニーズを取り込んでいる。小規模のブランドにとっては、ECを軸にした商売が多くなるなかで業務のほとんどが物流になっていたり、物流の品質がブランドイメージに直結するという課題を抱えていることが背景にある。

 また、同社には梱包(こんぽう)やラッピング、革製品などの修理、検針業務、刺繍やジュエリーのレーザー刻印など多くの機能があり、倉庫でワンストップで行える付加価値サービスも支持されている。

 品質管理やカスタマイズなどでも今の時流に合ったニーズに応えられることが、スタートアップ企業にとってもうれしいポイントになっている。

 同社は越境EC支援するサービスも提供しており、「海外展開も見据えた事業拡大を目指す日本ブランドのサポーターとなり、共に成長していける企業を目指したい」とする。

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