ギャラリー・ド・ポップ(東京)のレディスブランド「パドカレ」が海外での販売を拡大している。ニューヨーク(NY)への直営店出店やコレクション期間中のプレゼンテーションに加え、米バーニーズニューヨークでの取り扱いにより認知度が向上。卸し先は現在151口座に広がり、売上高は小売りベースで年間10億円規模に成長している。9月にはパリにも旗艦店を出し、グローバルでのブランディングをさらに強化する。
同ブランドは、08年秋から米コーテリ、10年秋からパリのトラノイに出展。コンフォートだが品のあるコンテンポラリーブランドとして打ち出し、卸し先を広げている。13年にはNY・ソーホーに直営店を出店、ファッションウイーク中にインスタレーション形式でコレクションを発表するなどブランディングにも力を入れてきた。認知度向上により引き合いが増え、15~16年秋冬物の受注額は前年秋冬と比べ44%増と大幅に伸びている。
有力店での販売実績の高さも好調を後押ししている。以前から取り扱いのあった米ロンハーマンやパリのメルシーに加え、14~15年秋冬からはバーニーズニューヨークでの販売も開始した。ファーストシーズンのプロパー消化率が98%と非常に高かったことが評価され、現在はネット販売を含め9店での取り扱いに拡大している。マディソンアベニュー店ではデザイナーズフロアで著名ブランドと並んで販売されており、各国の有力バイヤーの目に触れる機会も多くなっている。
「米国に続き、世界に向けてパドカレを発信したい」(小林司社長)と、今年3月にフランス法人を設立、9月にパリに旗艦店を出店する。場所は有力セレクト店の多いマレ地区の路面で、ファッションウイークに合わせた開店を目指す。
次のステップとして、海外での好調ぶりや経験を日本市場にフィードバックすることも狙っている。「国内では以前のパドカレのイメージが強く、ヤングブランドとして認識されているケースもある。海外に出て磨かれた〝今のパドカレ〟を表現し、見る目を変えたい」とし、16年には国内でも路面旗艦店の出店を目指す。
また、同社はヤングカジュアルの「プードゥドゥ」を販売していたが、「パドカレとは進む方向が違うため、よりシナジーのある企業に引き継いでもらうべき」と、3月にバッグ・雑貨中心のクー(東京)に事業譲渡した。今後はパドカレとメンズの「サージュ・デ・クレ」に集中する。