楽天ファッション・ウィーク東京24年春夏 独自の造形美を作り上げる姿勢

2023/09/05 06:30 更新会員限定


 楽天ファッション・ウィーク東京24年春夏の後半は、実績のあるレディスブランドの発表が続いた。これまでに培ったテクニックを別の視点で発展させ、独自の造形美を作りあげる姿勢が見どころとなった。

(須田渉美、写真=サポートサーフェス、ヨウヘイオオノ、アブランクページは堀内智博)

【関連記事】楽天ファッション・ウィーク東京24年春夏 アイデンティティーをアピール

フィジカル

 ガラス張りの大手町三井ホールを会場にしたサポートサーフェス(研壁宣男)は、造形に向き合う服作りのなかで、人の動きと空気の流れを捉えたシルエットを見せた。

 研壁が着目したのは開放感のあるスリーブの表現だ。ラウンドネックで襟元をすっきりと見せて、ランダムにドレープを寄せたスリーブのシャツを出した。ストライプ柄のシャツ地の特性を生かして、シンプルなのにフェミニン、軽快さを持ち合わせたバランスに仕上げる。

サポートサーフェス

 一枚の布の可能性に挑戦するスタンスがリアルに伝わる。シャツ襟が延長され、ラッフル状のレイヤードシルエットを描く。裾が輪になったギャザースリーブを背中で切り替えたシャツドレスは、空気が通り抜けるような躍動感のあるシルエット。洋服そのもののフォルムだけでは語れない、人が歩いて完成していく生き生きとした造形が余韻を持って響いてくる。

 一方で、クラシックな形のジレは女性の体に沿ったラインで、エアリーな輪郭をきりりと引き締める。しなやかさを持ちながらも、現実を見て生きる現代女性の凛(りん)とした姿勢を感じさせた。

サポートサーフェス

 ヨウヘイオオノ(大野陽平)は、「ニュータウンニューカー」をテーマに、独創的なフォルムのドレスを見せた。会場のらせん階段を下りてくるモデルのファーストルックは、ヒップがラグビーボールの立体形状になって張り出したジャージードレス。見たことのないフォルムに圧倒されるが、体の線を感じさせて、丸みを帯びたミニ丈のシルエットに、大野らしい神秘的な女性らしさが感じられてくる。

この記事は無料会員限定記事です。

今すぐ無料で会員登録

会員の方はこちらからログイン

関連キーワード会員限定ピックアップニュース



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事