「皆で一緒に作り育てる合同展を目指したい」と話すのは、アールフォーディ(東京)の近藤弘一代表。有志とともに今年9月、合同展「センタートウキョウ」を開催した。セレクトショップの閉店やバイヤーの来場確保の難しさ、ファッションの均質化といった漂う閉塞感に一石を投じた。
出展したのは、独自性とバイヤーが選ぶ品質を備え、生産体制も整っている35のブランド。初日は一般消費者にも開放し、3日間で400人を超える来場があった。第1回で苦労は絶えなかったものの、「少なくなっていた合同展を実現できたことは大きな成果」と手応えを感じている。「久しく合同展に行けていなかったのでありがたい」と話すバイヤーは多く、「ルックやインスタグラムだけでは全体像は正確に把握できないことや、実物を見てデザイナーと話すことで解像度が上がること」など、合同展の強みも把握できた。
2日間のビジネスデーには関西ファッション連合の合同展「船場テキスタイル」も参加。「素材や資材のクオリティーは、ブランドの成長に欠かせない要素だが、デザイナーが全ての素材展に回りきれない」現状を鑑みた。「出展ブランドや来場デザイナーに加え、小売店のオリジナル商品などOEM(相手先ブランドによる生産)のニーズもあり、良いシナジーが生み出せた」という。
