店長のお悩み例について、臨床心理士の本多公子さんに答えてもらう「サプリお悩みクリニック」。
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今回はこちらのお悩み・・・
Q3, やっと店長になれたのになかなか結果が出せず、スタッフのコミュニケーションもうまくいかなくて仕事がつらいです。私自身の気持ちはどうコントロールしたらいいですか?
A,店長も一人の人間、波があるのは当たり前。まずは自分の状況を理解した上で周囲に相談を。
自分に対する周りのスタッフからの評価を気にする店長さんは多くいます。スタッフが退職すると言い出したときも、「自分が店長だから皆辞めていくのでは」「自分のマネジメント能力に問題があるのかも」と悩んでしまいがちです。
とはいえ、相手に遠慮して、「困ったことがあったらいつでも連絡してきてね」と伝えると、自分が休日に友人とランチしているときに連絡がかかってくる。これではワークライフバランスが崩れてしまいますよね。
検討してみていただきたいのは、相手から全て評価して欲しいのか、ということ。もちろん全部は無理ですから、例えば仕事をきちんと教えてくれる店長だとか、自分がどういう店長と思われたいかを一度考えてみてはどうでしょう。
方法① スタッフの悩み全てを聞こうとしない
スタッフの悩みを聞く際も、そもそもたくさん聞けばいいわけではありません。全て知ると全てに自分が対応しないといけなくなる。何でも店長に言えばいい、どうして叶えてくれないのかというスタッフの甘えになってしまうともっと大変ですよね。
ポイントは、本人が聞いてほしい、分かってほしいと思ったときに、聞いてあげられる環境を整えておくことだと思います。
方法② 体力の回復に専念
悩みや疲れから、仕事がつらくて自分のモチベーションがどうしても上がらないとき。時間や体力の回復を待ってみるのも一つの手でしょう。早く元通りにならなきゃ、おぼれてしまうと、あせってジタバタしてしまうとき、そこで体の力を抜いたら案外浮いていられた、ということもあるはずですよ。
方法③ 波があるのは当たり前と理解する
仕事はもちろんプライベートでも、恋人とけんかをした、子供が熱を出したなど、生活をしているといろんな変化が自分の身に降りかかってきます。でも、一人の人間として、気持ちに波があることは当たり前。大事なのは、それを自分で理解していることです。
もちろん、そういう感情を全部表に出して仕事をする、というのとはまた別ですが、自分で自分を否定すると、自分を追い込んで余計つらくなってしまいます。
まずは自分の状況を受け止めた上で、上司に相談することが大切です。「こんなことを相談していいんだろうか」と遠慮してしまうかもしれませんが、店長さんのコンディションが安定していることは、店にとっても必要なことだと覚えておいて下さい。
先生紹介
ほんだ・きみこ 臨床心理士。消防庁緊急時メンタルサポートチーム専門家。PTSD専門研修(厚生労働省事業)名簿登載者。「心の健康にも予防が大切」をキーワードに、個人やカップル、家族への心理療法と、企業へのメンタルヘルスサポートを行うとともに、セミナー・講演会の講師としても幅広く活躍。