セルフリッジ百貨店は、25年までに買い物の概念を変えるサステイナブル(持続可能)な取り組み「プロジェクト・アース」を始動した。サステイナブルな認定を得た素材のみを扱うようにする商品の改革、修理(Repair)、再販(Resell)、詰め替え(Refill)、レンタル(Rental)の4Rを推進する循環型小売りモデルの構築、社内チームと取引先、顧客と連携した意識改革を3本柱に、様々な角度からサステイナブルな百貨店を目指す。
(ロンドン=若月美奈通信員)
第1弾としてこの秋、2カ月にわたって特設売り場やイベントが登場する。一つはオンライン・レンタル・プラットフォームのハー・コレクティブと組んだ「セルフリッジ・レンタル・コレクション」で、客は店舗とウェブサイトを通じて40ブランド・100アイテムを最大20日間レンタルできる。もう一つは古着を販売する「リセルフリッジ」で、9月28日から6週間、オックスフォードストリートに面したイベントスペース、コーナーショップで行われる。厳選された古着の販売に加え、客は自身の服を持ち込み、商品券と交換できる。一方、新サービス「リペアコンシェルジュ」では、バッグや靴など小物の修理を受け付けている。
同プロジェクトは300ブランドとの協業で発足、「プラダ・リナイロン」や「クレイグ・グリーン」などの限定コレクションも登場し、20以上のイベントや13のウェビナーも行う。
新しいタグも導入。リサイクル素材やプラスチックの消費を削減する130ブランド・700商品に「廃棄物の削減」、40ブランド・400商品に「オーガニック」、動物由来の成分を避けた20ブランド・550商品に「ビーガン」と付ける。
「パンデミック(世界的大流行)により従来の消費サイクルが崩壊した。ビジネスの方法を進化させ、人々の買い物に対する意識の変化に応えることが、持続可能なビジネスを構築するためには不可欠」とグローバル・マネージング・ディレクターのアン・ピッチャー氏。
セルフリッジはロンドンの旗艦店のほか、マンチェスター2店、バーミンガム1店の計4店がある。ロックダウン(都市封鎖)による3カ月間の休業後、6月15日に営業を再開。7月末に450人の人員削減を発表した。