《senken cafe》8月掲載の紙面から
きちんと仕事と向き合っている人の言葉には力がある。繊研新聞はそう考えます。ファッション業界に携わる人物の口からこぼれた「響く、しみる、至言・金言」として毎月、1回掲載します。
喜んでもらう物を作らないと、先がない。人が売った物で成長することはないんです。だから、新しい価値を見つけたい。(8月5日付1面)
=「ミナ・ペルホネン」デザイナーの皆川明さん
自分たちの作りたい物を追求し、20周年を迎えた。右肩上がりの成長を続けてきたのは、他と比較せず、自分たちの手法を徹底して貫いたためかも知れないという。受注生産でなく、「頼まれもしない」物作りから毎シーズンを始めるファッションの世界で、「皆が暮らすだけの糧をいただくということは、ほとんど奇跡。偶然の繰り返しだと思った方がいい」とも話す。
職人が常にいて、行けば物作りの熱気に包まれている、そんな店はあった方が良いと思う。(8月10日付3面)
=セレクトショップ、ストラスブルゴを運営するリデアカンパニー社長の田島淳滋さん
3店で職人が常駐するテーラーを設けている。物作りにこだわる日本のメーカーの商品も扱う背景には、「日本の物作りは繊細で丁寧。いとおしく感じられる良い物を本気で作っている工場があるなら、それは絶対世に出したい」との思いがある。
デザイナーはコマーシャルであるべきなのです。(8月27日付10面)
=セントラル・セントマーチン美術大学MAファッション主任教授のファビオ・ピラスさん
時代を切り開く新進デザイナーが現れないと言われる時代にあっても、有望な若手を送り出し続けるロンドン。学生たちは「コマーシャル」という言葉を、クリエーターにとっては否定的な言葉と考えがちだが、意味を取り違えたもので、「デザイナーに求められるのはビジネスをも含めたクリエーション」と明言する。
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