ミラノの老舗レザーブランド「セラピアン」は26年春夏、家具や照明などを作るイギリス人アーティストのベサン・ローラ・ウッドと協業し、幻想的なグラデーションのバッグコレクションを発表した。彼女が着想源にしたのは、日本の山岳地帯に見る日の出と日没。イエローからオレンジの繊細な色の移り変わりに、日本の伝統的な染色技法「ぼかし」のニュアンスが生かされている。
(青木規子)
【関連記事】《26年春夏ブランド別注目雑貨㊦》シグネチャーをブラッシュアップ
24年のミラノ・サローネでセラピアンを象徴するレザー編みの技法「モザイコ」が作られていく様子に魅了され、協業することになりました。マキシム・ボヘCEO(最高経営責任者)はもともと私の作品の支援者でもあったんです。
バッグ作りで注力したのは、グラデーションの繊細なニュアンスです。セラピアンではこれまでも単色のグラデーションはありましたが、今回のようにカラフルな3色のグラデーションは初めてだそうです。「ぼかし」というコレクション名の通り、木版画のようなぼかしのタッチがイメージソースになりました。
もともと日本が大好きで、アンティークショップやのみの市で日本の古いものをよく買うんです。木版画もそのなかの一つ。特に山を描いた木版画には独特な色の魅力があり、心が動かされました。
日本のクラフトマンシップには、繊細さがあります。絞りや絣、銘仙もそう。描かれる線や色の使い方が美しく、自分の探求心を深めていくきっかけになります。セラピアンも日本に対する愛情が深いので、協業は自然な流れでした。
私が普段作っているオブジェは屋内に飾られるものですが、バッグは外に持って歩くもの。自分を表現するためのものです。オブジェとは役割が違う。私の作品がアイデンティティーを表現するつなぎのような役割になるとうれしいです。
