シキボウの抗ウイルス加工素材 新型コロナ不活化に期待

2020/04/10 17:57 更新


 繊維メーカーのシキボウは10日、抗ウイルス加工「フルテクト」を施した繊維素材に、新型コロナウイルスへの抗ウイルス効果が「期待できる」と発表した。新型コロナとウイルスの種類が同じ亜科のコロナウイルス(ヒト)を使い、特定非営利活動法人バイオメディカルサイエンス研究会で試験したところ、有効性が認められたという。

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 試験は、フルテクトを加工したレーヨン100%不織布を使って実施した。他の繊維を使った素材や、マスクなど製品にした場合の有効性はまだ確認していない。今後、防護服やマスク、医療従事者向け衣料などに使われる不織布に同加工を提供し、製品の性能向上を目指す。

 フルテクトは07年、衣料用では初の抗ウイルス加工として開発。繊維に付着した鳥インフルエンザウイルスの感染価を洗濯50回後でも99・99%以上低下させた。09年には同加工を使ったマスクも開発し、高い注目を集めていた。

 同社は、綿など天然繊維を中心とした衛生加工に強みを持つ。81年に靴下用途で大ヒットした抗菌防臭加工「ノンスタック」を皮切りに、継続して衛生加工素材の開発と普及に注力してきた。90年代には「健康快服」をコンセプトに、繊維の衛生加工に関する研究開発を加速、現在もグループ会社のシキボウ江南を中心に取り組んでいる。

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