島精機製作所が社内ベンチャーで糸を開発 牛乳パックの再生など

2023/04/07 10:59 更新


牛乳パックを用いた和紙糸「リパック」で製品提案も

 横編み機の島精機製作所は、新規事業として糸の開発に取り組んでいる。2年前に牛乳パックを再生した糸「リパック」を、今年に入り協業で抗ウイルス性などの多機能紙糸「Cu-Topアオ」として打ち出した。開発成果を無縫製横編み機「ホールガーメント」などにも生かしていく。

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 開発のきっかけは、20年にスタートした社内ベンチャープロジェクトで、応募のあった約60件の中から選ばれた。SDGs(持続可能な開発目標)に貢献する事業として、当初は古紙回収の回収率向上を狙い、新聞紙や段ボールなど糸に限らない再生先を考えていた。だが、段ボールなどの用途は強度が足りないといった課題があり、牛乳パックを一部配合して和紙にし、それを糸にする紙糸に行き着いた。再生紙使いながら洗濯に耐える耐久性やきれいに染まる染色性があり、吸水性や防臭性など紙糸の持つ様々な機能も魅力だった。

 リパックが市場で使われだしたのはここ1年ほどで、靴下やタオル、シャツ地などに用いられている。1キロ当たり、1リットルの紙パックが約10本分入っており、233.4グラムの二酸化炭素排出量削減に貢献。1年間で約500キロを生産しており、PLA(ポリ乳酸)繊維や綿、ウールとの交撚糸も可能だ。OEM(相手先ブランドによる生産)にも対応する。

 リパックが広がる中、製紙メーカー大手の日本製紙から声が掛かり、紙糸シリーズの第2弾となるCu-Topアオの開発につながった。再生糸使いでは無いものの、抗ウイルス性や抗菌性、消臭性といった機能が特徴で、メディカル用途などの広がりも見込む。

 サステイナブル素材ブランド「リマテリ」を立ち上げ、リパックなどを開発した岩崎伸哉プロジェクトマネージャーは、「糸から直接製品になるホールガーメントという独自技術を持つ以上、糸からの研究にも責任を持たなければならない。もし開発した糸が編みにくかったら、編み機も含め色々と考えるきっかけにもなる。糸メーカーの苦労を感じることも狙いの一つ」として、様々な事業との相乗効果の発揮に期待を込めた。

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