島精機が増収増益 新興国と円安で

2015/05/01 18:37 更新


 島精機製作所は、15年3月期決算で、売上高483億円(前期比19%増)、営業利益57億円(110・3%増)と増収増益となった。アジアをはじめとした新興国の旺盛な需要と、円安により大きく伸ばした。経常利益も84億円(15・2%増)と伸びたが、純利益は36億円(25%減)。インドネシアの大手ニッター、ジャバ・ガーミンドに対する債権取り立て不能・遅延による特別損失を計上したため減益となった。

 横編み機事業は売上高361億円(16・2%増)で、アジアで大きく増えた。とくにバングラデシュでは2・3倍の伸びで、手横編み機からの置き換えが進んだ。ファストファッション向けに高効率の生産が求められることから、ASEAN地域でも販売が拡大している。欧州では、織物のようなニットが編める「SRY」といった付加価値の高い機種の販売が伸びたほか、イギリスやスペインで自国での生産に取り組む動きが出てきた。

 今年20周年を迎えた「ホールガーメント」横編み機は約400台を販売。うち日本が160台と最も多く、日本製ニットの需要が高まっていることもあり採用が進んだ。夏場以降は、より高生産で付加価値の高いニットが編める最新機種「マッハ2XS」の本格生産がスタート、今後の拡大に期待する。

 デザインシステム関連事業はデザインシステム「SDS―ONE・APEX3」や自動裁断機が非衣料用途でも伸び、売上高36億4500万円(10・8%増)。手袋靴下編み機事業は、製品の安定性、耐久性などが評価され、円安も後押しし売上高28億4200万円(124・7%増)となった。

 新興国での販売が伸びている一方、前期は約12億円の特別損失が発生、リスク管理にも改めて力を入れる。今後は与信管理を強めるほか、貿易保険やリース取引などを活用、リスク対策を強化していく。

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